初級者の上達への近道は、まず打ちやすいラケットを見つけることでしょうか。
重さは4Uくらいで、フレックスは柔らかめ、トップライトのものが良いと思います。
大手メーカーのもので4Uの製品はあるのですが、折れやすいためか、シャフトが堅めに作られています。
40本ぐらい試してようやく辿り着いたのが、KUMPOOというメーカーの「POWER SHOT NANO 700」というラケットです。シャフトがとても柔らかくよくしなり、打球感が大変良く、軽い力で遠くまで飛びます。
これにベストマッチなガットがYONEXの「飛びチタン」で、20~21ポンドで張ると、スイートスポットに当たると良い音が出ます。
YONEXの「デコボコツイングリップ」を巻いて完成です。
うちのチームでは全員このラケットを使っているのですが、全くの初級者でも、シャトルの「当て方」を教えてあげて、ナイロンシャトル(MAVIS 370)で打ちあっているだけで、1か月ほどでクリアの打ち合いができるようになります。
チーム全員が同じラケット使う利点としては、試合中ガットが切れたり、ラケットが折れたりしても、すぐに誰かのを借りて違和感なく試合が続行できる点にあります。
また、ナイロンシャトルは水鳥球と違って壊れませんし、打球感が良いのです。
「シャトルのコルクに対して面を作って、当てて押すような打ち方」ができれば比較的簡単に良く飛ばせます。
KUMPOO POWER SHOT NANO 700(初期型)です。とても打ちやすかったのですが、残念ながら絶版になってしまいました。
次に登場した「New NANO 700」はシャフトがやや堅めでバランスがよくありませんでした。
後継モデルとして登場した「NANO 770」も堅めに作られていました。
そしてついに「NANO 700」の復刻版ともいえる「NANO 700R」が登場。初期型に見られたロットによるラケットのばらつきも無く、カーボンナノチューブの質が上がって、シャフトの柔らかさはそのままに、強度は上がった感じです。非常に扱いやすいいいラケットです。
「4拍子のノック」
イースタングリップのためのコーディネーショントレーニングを考えました。
(このショットは、初級者に見られがちなウエスタングリップ気味に持っていると打てません)
①からだの左側に来たシャトルを、体の後ろからラケットを回して、フォア面でヒットし、ヤマを作ってネット前に落とします。(シャトルの軌道は長めのヘアピンという感じです)
②同じ位置に来たシャトルをバック面でヒットします。
③右ひざめがけて来たシャトルを足をあげてフォア面でヒットします。
④頭上を通り抜けていくシャトルを上に飛びついて、ネット前にストンと落とします。
これをリズミカルに、12球ミス無く連続で打てたらOKです。
下の動画を参考にしてください。(画質は落としてあります)
「くの字ノック」
初級者はバックハンドが苦手です。ということは、初級者同士の試合ではバック側にシャトルを集めれば有利に展開します。逆に自分がバック側のシャトルをしっかりと返球できれば良いのですから、そのような練習方法を考えました。
バック側に来たシャトルをストレートに打ち返すための練習です。
右利きの人がホームポジションに立ち、
①左前にフィードされたシャトルを、バック面で、ストレート方向またはコート中央方向にプッシュ
②左奥に来たシャトルを、回り込んで(ラウンドザヘッドストロークで)ストレート方向に、ドリブンクリア
この繰り返しです。フットワークは「く」の字のように動きます。
上は、バドミントンを始めて約半年の例です。だいぶリズミカルに動けるようになって来ました。
改善点は、下がるときに、一部「送り足」が入ってしまうところと、後ろの「足替え」でしっかりと足が入らず、ふんばれないところです。
上は、キャリア1年半ほどの例です。より無駄の無い動きになってきました。
腕もよく振れています。
前へのフットワークは「ドロップ交互」の場合と同じですが、ホームポジションを通過する際に、一度スプリット(右利きの場合、右足を多少前に)します。ホームポジションから後方への一歩目は左足からになります。途中で足を入れ替えて最後は「足替えの素振り」の要領で打ちます。
「PNFストレッチ」
上の「くの字ノック」をやる場合、初級者はラウンドザヘッドで打てず、回り込んでフォアハンドで打ってしまいがちです。ひじをひいてラウンド側をしっかりと打つために可動域を広げるストレッチです。
まず、
6秒全力
2秒脱力
2秒少しずつ押す
「上半身だけで打つ練習」
ラウンド側でしっかり打つには、無理な体勢で打って戻る力、腹筋や背筋の強化も必要になってくると思います。椅子に浅く座ってからだを反らし、上半身のしなりで打ち返す練習です。シャトルを投げる人は打つ人のラウンド側に投げます。打ち手がちょっとだけきついかな、くらいのところに投げてあげるのがよいです。
「アンダートスされたシャトルをバック面を使って90度進路を変え、ネット上に山を作ってショートサービスライン付近に落とす練習」
主にコントロール系の練習ですが、いろいろな要素が含まれています。
クロスヘアピンの動作に似ています。
正面から飛んでくるシャトルの左側をピタッと当てる必要があるため、動体視力の訓練になります。「振る」というよりは、一瞬の「面」でとらえる感じです。
ネット上に山を作るのはヘアピンの要領で。的となるシートは約1m四方です。
とにかくうちのチームは「面をつくって当てる練習」を重視しています。
面が安定すればミスが減る、と考えるからです。
また、格上の相手からスマッシュをバンバン打ちこまれても、レシーブで正確に面を出せれば有る程度はしのげますし、ねらったところに返せるようになれば攻撃にもなるからです。
左右に打ち分けるヘアピンは同じように見えて実は打ち方が異なります。
一般に、バック側は面を直線的に出して当てて打つことができますが、
フォア側は小さい「タメ」を作ってはじいてやらないとうまく飛びません。
左右から球出しをしてもらってシートの中央をねらう練習です。
ねらい通りの軌道を描いて飛んでいくか、内側、外側のどちらに切れて行くか、
など、自分のショットのクセをみつけ、修正していく練習です。
「バックハンドの打ち分けノック」
同じバックハンドのフォームから、
・バックハンドプッシュ
・アタックロブ
・ヘアピン
を打ち分ける練習です。
「外切りヘアピン」
ヘアピンの凡ミスが多いので練習として取り入れてみました。
・フィーダーから投げられたドロップ気味のシャトルを
・バック面空中シャトルすくいの入り方で(ためを作り)
・シャトルのコルクの斜め下を右に払う感じで打つ
「つまんでヘアピンを打とう」
初級者はヘアピンを「持ち上げて」打とうとします。
ひじから手首までの「前腕」で持っていこうとします。
「指先感覚」で打たせるために、ラケットを親指と人差し指だけではさんで持ち、トスされたシャトルをスイートスポットに当てる練習をします。打点が高ければそっと当てるだけでネットを越えます。
イースタン・グリップのための矯正具
割り箸とロックタイで図のように結びます
左図のように持たせます。
人差し指と中指の間からロックタイが出ているため、ウエスタンで持てないようになっています。
また、「猫手」で打つと割り箸が手首に当たってしまいます。
初級者のためのショート・サービス練習法
初級者は、ショート・サービスやヘアピンを、「シャトルの下からすくいあげて打つ」というイメージを持っています。
これでは、サーブは浮いてしまいます。
そこで、ショート・サービスが正しい軌道を描いて飛ぶようにさせるには、 的となる箱の口を横にして狙わせると良いでしょう。
「スマッシュ筒たおし」
30球で6本の筒を倒す練習です。
投げ手(フィーダー)と打つ人(ノッカー)のリズムが大切です。
「スマッシュ・ストラック・アウト」
トイザらスで見つけたおもちゃです。抜けやすいようにゆるめてあります。
「爆弾スマッシュ」
シャトルの空筒30本を団子状に立てて崩していきます。筒の上部を狙うのがコツです。
「バック面空中シャトルすくい」
「骨整体」
「SAQ」
一口に「速さ」といっても、細かく分けると
・S=スピード (前方への重心移動の速さ)
・A=アジリティ (運動時に身体をコントロールする能力)
・Q=クイックネス (刺激に反応し速く動きだす能力)
というふうになります。
実際どの「速さ」を身につけたいのかによって、トレーニング方法は異なると思います。
次の動画はラダートレーニングのうちの「シャッフル」と「インアウト アウトイン」です。一度に15~20パターンのメニューを高速で正確にやります。
「ミニ・ハードル・ジャンプすぶり」
初級者に「空中で足を入れ替えて素振りをしてごらん」と言ってもなかなかできないものです。スイングと足替えがうまく連動しないのです。
(右利きの場合、右ひじ・右腰・右ひざが連動)
ミニハードルで使ってジャンプしながら練習すると簡単にできるようになりました。
ラケットはハードルに当たると破損しますので、壊れたラケットを使うのがいいでしょう。
ゆっくり10回~8回~7回~最高速6回まで。
トレーニングはゆるめで。これ以上やると疲労が残ってしまいます。
「改良型フラッグ打ち」
まったくの初級者に「インパクト」の感覚を教えるとき、ひもにつけたシャトルを2階からつるし、素振りをして当てさせる練習は一般的ですが、はたしてこれは効果があるのでしょうか。
素振りでは前方に振りだしているのに、シャトルはひもに結ばれているため、打つと斜め上に跳ね上がってしまいます。
以下は、塩ビ管でつくったL型具に大きめのレジ袋をつるし、これを打つ練習です。
ラケット面と袋の面が一致すると、大きな音が出るのでゲーム感覚でインパクトの感覚を覚えられます。大きめの袋を用意して、これが破れるまで連続で打ちます。
指導者が、打点を前にしたいときは袋を前に、腕を伸ばさせたいときにはラウンド側に、と微調整しながらフォームを修正していきます。
「ウエスタングリップ」や「ひじ打ち」にならないように常に声掛けをします。
「手投げノック」
初級者同士でノックができるようにします。
まずは正確に手投げドロップができることを目標にします。
シューズの箱などの的を置いて、椅子の上から腕を振り下ろして正確に投げさせます。
上腕よりも、前腕(ひじから指先まで)をしっかりと振ることです。
「同じリズム(ペース)で正確に」がポイントです。
「手投げノック~ロビング」
正確に投げられるようになったら、ノック相手を入れます。
人がいてもいなくても同じ場所に正確に投げるようにします。
(投げる目標の箱は置いたままです)
「初級者のスマッシュレシーブ」
初級者に初めてスマッシュレシーブをさせてみると、たいていは空振りするものですが、
そのラケットの面や軌道をよく観察すると、次のような共通点が見られます。
面を斜め下向きに構えていて、スマッシュに合わせてラケットをこね回し、振り子のようにスイングしています。
また、スマッシュの速度に動体視力がついていかず、タイミング合いません。
まず、速いスマッシュほど、ラケット面を正確に出して合わせれば簡単にショートリターンできることを実演して理解させます。
ラケット面を斜め下向きに構えず、初めから斜め上向きに(スマッシュされたシャトルの軌道に対して垂直な面を出して)構えればよいことを教えます。
また、面を出す位置は体から離して前方で構えれば、相手が打ったシャトルと自分のラケット面が同じ視野(視界)に入り、シャトルを面に当てることが容易になることも理解させます。
以上の点をふまえて、次のような初級者のためのスマッシュレシーブの練習方法を考えました。
「面」を意識させるために、約60cm四方のダンボールを持たせます。
構え方は画像のように利き足を少し前にして腰を落としてダンボールを斜め上に向けて構えさせるようにします。
これでスマッシュをダンボールの面に当てる練習をします。
(目に当たると危険なので、保護メガネをかけています)
右(赤紫)がフィーダーの上級生
奥(水色)がスマッシュを打つ上級生
手前(白)がレシーバーで、入部したばかりの1年生です。
面が大きいので当てやすく、レシーブの感覚を簡単に身につけることができます。
20分ほどでほぼ当てることができるようになります。
9割以上当たってきたらラケットに持ちかえさせます。
スマッシュに対する恐怖心が無くなり、ラケットに持ち変えてもすぐにレシーブができるようになっています。
「立ち上がりながらレシーブ」
初級者はリストの力がまだありませんので、レシーブでシャトルを遠くに飛ばすために、面を平行移動して押し出す方法はどうでしょうか。椅子に浅く座った状態でラケットの面をあらかじめ作って構え、立ち上がりながら(前方に伸びながら)ラケットの面を平行移動するイメージで押し出すとシャトルはきれいに飛んでいきます。
立ち上がりながら打つことで、体重移動のコツがわかり、下半身強化にもなります。
「だんだんスマッシュ交互/だんだんドロップ交互」
いわゆる「基礎打ち」の中で「スマッシュ交互」や「ドロップ交互」は取り入れていますが、実際の試合では中間的なショットも使うはずです。
フルスイングのスマッシュ→普通のスマッシュ→ハーフスイングのスマッシュ→カット→長めのドロップ→短いドロップ…と連続的に変化させていきましょう。
「ドライブのスピードを上げるための親指の訓練法」
「ドライブぐるぐる」
ダブルスを始めたばかりの初級者はローテーションができず、
その場で打つのがやっとです。
そこで、ポジションを変えながらリズムよく打つ練習として
取り入れました。
後衛が、打ちながら前に出る練習です。
下はバックハンド側ですが、後衛が打って前に出るのは同じです。
最初は相手が打ったドライブに合わせて当てるだけで良いと思います。
打点を前にすると簡単にできるようになります。
「沈み込みを覚える」
すぐに足が出ないのは、足を出す準備ができていないからです。
相手がシャトルをヒットしたのと同時にひざを曲げて(腰を落として)沈み込むのが良いでしょう。
上級者の試合をコートの後ろで見ながら、同じタイミングで沈み込む練習をすると、できるようになります。
最初は上級者を見てまねをします。
できるようになったら相手のラケットを見て(ヒットする音を聞いて)沈むようにします。沈み込みができるようになったら、来るシャトルに合わせて一歩を出す練習をしていきます。
「ラケットを使ったコーディネーショントレーニング(中級者向け)」
右利きの人は右手では打てるのに、左手に持ち替えると打てなくなるのはなぜだろう?
実はラケットを両手に持って右左交互に打つと、意外と簡単に打てるようになります。
左右のバランス感覚を養いながら、遊び感覚で打つトレーニングです。
上達してくると、からだの力みがとれ、スムーズに打てるようになってきます。
①ラケットを左右1本ずつ持ち、交互にゆるいドライブを打つ
②1本のラケットを左右交互に持ち替えて、ゆるいドライブを打つ
③ラケットを左右1本ずつ持ち、交互にバックハンドで打つ
④1本のラケットを左右交互に持ち替えて、バックハンドを打つ
⑤ラケットを左右1本ずつ持ち、交互にからだの後ろにまわしてフォア面で打つ
「ダブルスのための半面シングルス」
「ダブルスの禁止事項」
打ってはいけないコースとは?
「ダブルスの戦法」
・サーブ側なら3球目、レシーブ側なら4球目で攻撃できるように組み立てる
相手が両方右利きで、偶数コート(自分から見て左)からショートサーブを打ってきた場合は右にハーフ球を打つ。
二等辺三角形の原則では相手前衛と後衛を結んだ線を二等辺三角形の底辺として、もっとも遠くなる頂点に落とし込むのがよいですが、相手前衛がショートサーブを打ちながら前に出てくるタイプなら、前衛はすぐに下がれませんので、前衛寄りのハーフ球が良いでしょう。
「ゲームにおける駆け引き」
自分がレシーバーで、相手にショートサービスを打ってほしかったら、あまり高くラケットを上げて構えるのは逆効果ですね。少しポジションを下げて、低めに構えていればショートサービスが来ます。逆にロングを打ってほしかったら、前よりのポジションで大きく構えるとよいでしょう。
「メンタルトレーニングいろいろ」
・原田隆史のリーチングシート
・
「カーボローディング」
試合3日前から運動量を減らす。
炭水化物を多めに摂取する。
「試合当日の効果的な栄養補給」
・バナナが最も良いワケとは
・ドリンクの研究
そして、ついに・・・
以上は私のチームの楽々上達法です。
ちゃんと基礎から勉強したい人はコレ↓
「飯野佳孝イズム」
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